【出演】つやちゃん x valknee x 伏見瞬
ヒップホップは“アンチ・ポップ”なのか?
ーフィメールラップからアイドル、J-POP性の拒絶ー
「ヒップホップを諦める」という選択肢もあるのではないか?──2022年、初の著書『わたしはラップをやることに決めた フィメールラッパー批評原論』を上梓した文筆家のつやちゃんの口を突いて出た言葉だ。
2020年からサブスクリプション型Webメディア「KAI-YOU Premium」で開始された連載をまとめた本書。女性ラッパーに目を向けてこなかった日本のヒップホップ史において、彼女たちとその楽曲をジェンダー論的に位置付けていくのではなく、そこで鳴っている音と言葉について論じることでその存在を記していくという試みだった。
男性中心だった日本のヒップホップ史の“正史”に殴り込みをかけるための戦略として「フィメールラッパー」という括りが導入されたが、2022年においてはそのラベリングも必要なくなりつつあるのではないか。
例えば本書に掲載されているインタビューで、ラッパーのvalkneeは「いわゆるヒップホップと呼ばれる音楽を聴いている層に全然ハマらないなぁ……っていうのがあって(中略)だからもうそこにこだわる必要もないかなって思ってます」と語った。
200を超えるディスクレビューに顕著だが、本書では意図的に通常ラップミュージックとして扱われることのないPUFFYや安室奈美恵といったポップミュージックも論じる対象にされている。ヒップホップは既に、その先進性ゆえに「ヒップホップ」の中に閉じていないからだ。
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≪配信時間≫ 19:30~21:30予定
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