【出演】
南島興
【ゲスト】
KOURYOU
アートの今について南島興が多彩なゲストとともに語ってきたアート・ジャーナリズムの夜も今回でついに10回目となりました。粘り強く、この数か月で起きたアートをめぐる問題、また注目の展覧会などについて語り尽くします。前回にひきつづき、今回は第1部と第2部に分けて開催します。
第1部では、この一か月で起きたアートに関する出来事を独自の観点から取り上げて、振り返ります。第2部では、美術作家のKOURYOUさんをお招きします。KOURYOUさんは2019年に瀬戸内国際芸術祭・女木島で発表した《家船》以来、その活動を全国各地とウェブサイト上で《EBUNE》として続けています。10月までは大阪の西成地区に滞在し展示・パフォーマンスを敢行しています。これまでのアート・ジャーナリズムの夜では芸術祭とコレクティブの時代と言われた2010年代が、現在はコロナ禍と組織運営の難しさやハラスメント問題により終わりつつあるという状況認識について繰り返し言及してきました。今回はそのなかにあっては、反時代的にも見える集団的で(移動)芸術祭的な《EBUNE》を主宰するKOURYOUさんにその活動の動機と実態、また今後の展望についてお聞きしてみたいと思います。今日なお、私的な集団を形成し、私的な芸術祭を続けるための理由とはなにか?その技術とはなにか?この議論には重要なヒントがあると考えています。ぜひお聞きください。
EBUNEの活動については以下のインタビューを参照。
レビューとレポート 「家船」特集 / 第10号(2020年3月)
note.
《出演者プロフィール》
●KOURYOU
1983年、福岡県生まれ。2008年東京藝術大学大学院美術研究科修了。08年よりウェブサイトゲーム《クリックスピリット 》を開設。2013年活動の場が異なる作家たちが一堂に会する「であ、しゅとぅるむ」(名古屋市民ギャラリー矢田)に出展。その後カオス*ラウンジやパープルームに参加し、サイトの設計図や模型のような絵画•立体作品を発表。福島県いわき市の伝承を再構成したウェブサイト《いわき伝説ノート─キツネ事件簿─ 》の原画が愛知県美術館に収蔵される。「VOCA展2019」「瀬戸内国際芸術祭2019」に出展。瀬戸芸2019年女木島で発表した《家船》を継続したチーム作品《EBUNE》航海中。
●南島興
1994年東京生まれ。横浜美術館学芸員。東京藝術大学大学院美術研究科博士課程後期中退。全国の常設展・コレクション展をレビューするプロジェクト「これぽーと」主宰。旅行誌を擬態する批評誌「LOCUST」編集部。文春オンライン、美術手帖、「アートコレクターズ」他に寄稿。