さびしがりやのなにかしら
関東で役者やってます。仲良くしてくださいね。

ごんぎつねの続き(なんとなく思いついたので

ごんぎつねの続き(なんとなく思いついたので

兵十は、火なわじゅうをばたりと取り落としました。青いけむりが、まだつつ口から細く出ていました。
すると周りが急に光ったかと思うと目の前には大きな光るキツネがいました。
兵十は「こんなキツネがいるのか」と思いましたが、あることに気が付いて納得しました。
尾が9本あったのです。このキツネが村の伝承に伝わる九尾の狐だと思いました。
狐は言いました。
「ゴンを撃ってしまったこと、後悔しているようだね」
兵十はうなずきました。
「私の尾の一本を分け与えればゴンは生き返る」
兵十は目を輝かせました。
「お願いします、ゴンを生き返らせてやってくだせえ」
と、その時です。ガーンという音が鳴り響きました。
加助が火縄銃を撃った音でした。
「兵十。だ、大丈夫か。こんな化け物オラが退治してやる」
二発、三発。しかし、九尾の狐には当たっていないようでした。
そして、九尾はゴンを咥えるとスゥっと消えてしまいました。
「ははっ、オラがやっつけてやっただ!」
加助は喜んでいましたが、兵十はゴンを助けられなかった悲しみで動けませんでした。
しばらくして、ポツリポツリと雨が降ってきました。やがてその雨はゴウゴウという音に変わり
ました。3日、10日、一ヵ月その雨は降り続けました。
村の小川は氾濫し、村人はどこへも逃げられませんでした。

雨が上がり、干上がった村からは大勢の村人と一匹の小さな狐が見つかりました。

おしまい

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