30回噛む響四郎キャス

本当にあった話2。

本当にあった話2。

以前居た和食系居酒屋での話。

その居酒屋は、小さい店ながら社長のこだわりが詰まった、「旨いもの」が出る店でした。

決して人気のある店ではありませんでしたが、味の分かる常連さんは週3で来る。

そんな「隠れた名店」的なお店。

職人出身の社長が選んだ大将の下で、私は厨房兼ホールといった感じ。

平日は、大将と私とバイト1人で回していました。

さて、その時は、社長の気まぐれで大間のマグロをお手頃価格で出していました。

大間のマグロといやぁ、言わずと知れたマグロの最高級品。味の分かる人は飛びつきますよね。

常連さんがホールのバイトに「この大間産の赤身ちょうだい!」と注文しました。

バイトも「はーい!大間産の赤身ですね。」と元気に復唱。

それを厨房から聞いていた大将が、テキパキと一人前を切って盛り付け、はいよっ!と出します。

出されたお刺身を見ると、うんうん、旨そうです。艶やかな赤色。それはまるで馬肉の赤身のような



ってか、これ馬刺しの赤身じゃん!?



大将ったら、「大間産の赤身」を「お馬さんの赤身」と勘違いしちゃったようです。

バイトの子に突っ込まれて、真っ赤になる大将。そして大爆笑のバイトと私。

どうやら、大間のまぐろなんて売れないと高を括っていたようです。

先入観から起きた珍事でした。




おまけ。

大将が作っちゃった馬刺し。
捨ててしまうのも勿体ないので、私が一計を案じました。
その常連さんの所に持って行って
私「はーいお待たせしゃーした!お馬さんの赤身でーす!」
客「っておーい!!お馬さんじゃなくて大間のマグロだよwww」
私「あれ!?大将が間違えちゃたかな?サーセン!馬刺しいらねっすか?」
客「いーよいーよ!これも食うし、マグロもくれよwww」
私「ありゃーす♪大将!大間のマグロも一丁!」
といった感じで馬刺しもマグロも売っちゃいましたとさ。
チャンチャン♪

Comments